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太郎さんのお母さん
一平 かの子―心に生きる凄い父母
一平 かの子―心に生きる凄い父母
岡本 太郎

母の手紙―母かの子・父一平への追想
母の手紙―母かの子・父一平への追想
岡本 太郎

私も人の親になるにあたり、
私が敬愛する太郎さんのご両親てどんな方だったのかしら
という興味があり、この2冊を買って読んでみました。

岡本かの子さんについては、
昔テレビの番組でドキュメンタリーをやってて見たことがあるのですが
詩人で作家で、小さい太郎さんを箪笥や柱に縛りつけて
自分は黙々と机に向かって短歌や小説を書いていたり、
愛人を家に一緒に住まわせてくれるように夫に頼んだり
でも夫はかの子さんを観音菩薩として崇拝していた、
などなどエキセントリックな逸話だらけで
さすがあの太郎さんのお母さんだけあって
変わったすごい人だったのだなぁ
と思ったのを覚えています。

でも「母の手紙」を読むと
かの子さんがフランスに留学中の太郎さんにあてた手紙の内容は
エキセントリックなイメージとは違って
どれも普通の息子想いなお母さんの文章でした。
手紙をちょうだいね、とか
こっちはみんな元気でやっているよ、とか。
当時の普通の主婦と違う点は
今度こんな本を出すよ、とか
その本の装丁をお願いします、とか
自分の仕事に対して生き甲斐を持って取り組んでいたところかしら。

かの子さんが亡くなったあと
太郎さんとお父さんの手紙のやりとりは
お母さんに対する愛情が二人ともとても溢れていて
定食屋で読みながらひとり涙してしまいました。
あんなに夫からも息子からも愛されるとは
なんと幸せな方なのでしょう。

「一平 かの子―心に生きる凄い父母」を読むと
太郎さんのご両親は太郎さんを息子としてというよりも
一人の人間として対等に接していたそうです。
太郎さんが小学生の頃から両親と芸術論を対等に議論していたというから
すごいよなぁ。

親子三人芸術家で(お父さんの一平さんは当時大人気の風刺漫画家)
一家で世界一周したり、太郎さんはフランスの大学に行ったり
家は青山だったりと、やっぱお金持ちだったんだなぁと思っていたのですが
江戸っ子だった一平さんは新婚当時はお金を全部交際費で使ってしまい
家にお金を全然入れなくて、食べることもままならず
電気代も払えなくて夜は家の中が真っ暗だったとか。
お嬢様育ちのかの子さんは初めての生活苦に対処できず
実家に帰ろうと思ったら、実家も銀行が倒産して破産してしまい
家にも入れてもらえなかったそうで、
多摩川に身投げをしようかというところまで追い詰められたらしいです。
でも太郎さんを連れていたので思いとどまったそうなのですが。
そんな気が狂う寸前のかの子さんの姿を見て
ある日一平さんははたと気が付いて心を入れ替えたそうなのですが。

一平さんもかの子さん亡き後、戦争で家は焼けてなくなり
田舎に疎開して、晩年は乞食のような生活をしていたらしいです。
しかも若い奥さんと再婚して4人も子供を作ったあとお亡くなりに。
太郎さんは若くして継母と4人の小さな弟妹を
養っていかなくてはならなかったそうです。
戦争から帰ったばかりで自分ひとり生きていくのも
やっとという時代にですよ。
太郎さんも苦労されたのだなぁ。
それで自分の子供は作らなかったのかも。

太郎さんが言うには、自分の子供だとか、自分の親だとかいう
家族主義は心が狭い。
全世界の子供は自分の子供だ、
全世界のお年寄りはみんな自分の親だ、
という考えを持ちなさい、とのこと。
そうだよなぁ、世界中の人間がそう考えることができたら
戦争なんて起きないのに。

太郎さんのあの強烈で猛烈な生き方は
ご両親がやはり命の限り精一杯その一生を生きたからなのでしょう。
太郎さんとご両親も、かの子さんと一平さんも
親子や夫婦という次元を超えて、
人間と人間としての深い関係を築いていったんだと思う。
子供は自分の所有物と勘違いしてしまいがちだけど
一人の人間として全身全霊でぶつかっていくものなのだということを
教えられました。


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