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暁の寺
評価:
三島 由紀夫
新潮社
¥ 620
(1977-10)

「春の雪」=「春」、「奔馬」=「夏」ときて、「暁の寺」はやっぱり「秋」ですかね。主人公は今作から本多になりますが、人生の円熟期を迎えて、大金を収穫してますもんね。タイやインドの黄金や朝焼けのオレンジ色の空のイメージもありますし。

清顕、勲が三島さんの少年時代、青年時代を理想化したものだとしたら、本多も三島さんの一部、しかも理想ではなく現実だったんじゃないかなと思いました。勲の生まれ変わりのジン・ジャンもまた三島さんの理想なのでしょうが、三島さんと同じ部分は少ない気がします。

前作までの主人公、清顕と勲が美しく描かれているのに対し、今作の主人公、本多は「暁の寺」ではロリコンで覗きが趣味の醜い老人になっていたのでびっくりしました。あの真面目で理性的で友達思いの青年が。。

三島さんの中では、「若=美」「老=醜」というコントラストが強くあったのでしょうか。自分が醜い老人になっていくのが耐えられなかったのでしょうか。

私も20代のころまでは自分が老いるということが受け入れられなくて、30になる前に死にたいとか親不孝なことを考えていました。また、好きなミュージシャンや芸術家が短命で夭折していたことにも憧れていました。

でも自分が結婚して子供ができて、とうとう中年になってくると、図太くなってきたもので「孫の顔を見るまでは死ねない」と思うようになってきました。外見の美貌にはそりゃ憧れはありますが、どんな美しい人もいずれは老いていくものだと達観できるようにもなってきました。また内面の美しさを若いときよりも重要視するようにもなってきました。

無知で我が儘だった私にとって若さとは「恥ずかしい」ことでしかないからかな。。自分が若かったころを振り返ると本当にこっぱずかしい思い出しかないもんなぁ。。。

外見はこれからどんどん醜く老いていくかもしれませんが、魂は磨かれていくように年をとりたいものです。。。




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